ローマのトッラトリアで舌鼓を打つ。日本で遅寝遅起きの典型的な「悪い子」生活を送っている私ですが寄る年波のせいか今回は柄にもなく「時差ボケ」を起こし最初は食欲がありませんでした。 普段きっちり日本時間で生活している主人も同様。 滞在3日目になるこの日あたりからようやく食欲が出てきたのでこの旅で初めての本格的なトラットリアへ。 (それまではバールやセルフサービスのお店で済ませてた) 下調べで「これは!」と思ったお店に行きました。 プリモ(一皿目)はパスタ。 私はスパゲッティ・カルボナーラ。 主人はトマトソースのフェットッチーネ。 美味しすぎ。反則。 カルボナーラはパンチェッタ(豚の塩漬け肉、ベーコンに似てる)を良く炒めて出たオイルで味付けしてあり生クリームは使いません。 (日本では生クリーム使ってるからくどいのが多い) このオイルの風味が最高にいいのよ。 フェットッチーネはきしめんに似た感じの平たいパスタでさっぱりしたトマトソースの絡みが抜群。 またこのトマトソースが爽やかな酸味で「体が喜んでる」って感じがしましたね。 冬でも疲れてる時は酸っぱいものが美味しいんだわ。 セコンド(二皿目、メイン料理)は一人前を頼んで二人でシェアしました。分量が多いので一人一皿はちょっときつい。 「そんな注文の仕方は邪道だ!」なんて言うお店は今のところ一軒もないのでこのオーダーの仕方はおすすめです。 サルティンボッカと付け合せにローマ風アーティチョークを。 サルティンボッカ・アッラ・ロマーナ。 アーティチョーク。成人男性の握り拳大。 何をどうしたらこんなに美味くなるんだ。 以前も別の店で頼んだことのあるメニューなんだけどあれはニセモノでしたね。 サルティンボッカは薄切りの子牛肉にセージの葉と生ハムを乗せて白ワインとバターでソテーしたローマ風。 セージの風味が最高!それでいて生ハムの味を殺してない。これはくせになります。 前に食べたのはセージが乗ってなかったなあ。 それにアーティチョーク! 花弁の間にローズマリーと刻んだにんにくが挟んであって白ワインで蒸し煮にしたものの上に たっぷりのオリーブオイルがかかっています。 あんまり美味しいのでパンにオイルをひったひたに浸してたくさんいただいちゃいました。 「ローマ風」アーティチョークって本当はこういうものだったんだぁと感激。 もちろんアーティチョーク自体もほんのり苦味があって柔らかくて美味。 日本で言う春の山菜のイメージですね。 この苦味を味わうと「もうすぐ春だな」と感じるあの感覚。 日本でたまに見かけるアーティチョークと違ってとにかくでかい。 中でも茎と芯の部分がいわく形容しがたい美味しさです。 これだけ食べるとさすがにお腹いっぱいなのでデザートは入りません。 カフェ・マッキァート(エスプレッソに泡立てたミルクを少し加えたコーヒー)で締め。 マッキァートも美味しいのよ。レストランなのに。 ハウスワイン白のハーフボトルとミネラルウォーター1/2Lも頼んで全部で37ユーロ。(4000円ちょっと) あんなに食べてあんなに美味しくて本当にこの値段でいいんですか?!でした。 このトラットリアは日本向けのガイドブックには載っていません。 メニューもイタリア語と英語しかなく日本語はありません。 お客さんは地元の人か観光客なら大半がスペイン人。 こういうお店なら味にまず間違いはありません。 ウェイターさんもみんな感じが良くて「スペイン語ワカリマセーン」なんて冷たいこと絶対言わない。 両方学んでる私から見ればイタリア語とスペイン語なんて標準語と関西弁より下手すれば近いのに お互い「ワカリマセーン」なんて言ってるのが不思議でならなかったんですよ。 ここの暖かい雰囲気はお料理の美味しさと相まって最高のひと時を与えてくれました。 お店の名前は秘密。親しい人にしか教えたくないから。 トラステヴェレにあるトラットリア、とだけ言っておきましょう。 |